ピアノのコンクールをめぐるあれこれ

長女が、ピアノのコンクールに挑戦しています(楽器店主催のコンクールです)。


 私は、長女に対して、ピアニストになってほしいとか、音大に行ってほしいと思ったことはありません。あくまでも趣味として、長くピアノ、というか楽器を楽しんでもらいたいと思っています。

 それなのに、コンクールに出ることを勧めたのには、3つの理由があります。


 まず、ひとつの曲を深く勉強する機会を持ってほしいと思ったからです。

普段のピアノのレッスンでは、譜面がひととおりさらえるようになると、すぐ次の曲、次の曲と進んでいきます。もちろん、たくさんの曲にふれること、いろいろな曲を演奏できるようになることも大切なことですが、たまには、ひとつの曲をじっくり掘り下げるのも良い勉強になると思っています。なかなか弾けない場所を何度も練習してすべて完璧に弾けるようになるのはもちろんのこと、曲のイメージを膨らませて、自分が曲をどう演奏したいか考えながら練習することこそ、音楽を楽しむってことじゃないかなあと…自分自身、そうやってエレクトーンや吹奏楽のコンクールに向けて練習してきて、苦しい中にも大きな喜びや楽しさがあったので、それを長女にも知ってほしいのです。

 

次に、先生からたくさんのことを吸収してほしいと思ったからです。

これはちょっと、汚い考え方かもしれませんが、コンクールに出るとなると、先生も普段より力を入れて、いろいろなことを教えてくれます。どうやって表現したらいいか、一緒に考えてくれたり、お手本を見せてくれたり。そんなレッスンから、いろいろなことを吸収してほしいです。

 

そして、緊張感が高まっている会場で、思い切り演奏する楽しさを味わってほしいと思ったからです。

コンクーでは、予選でも、小さいながらホールで、コンサート用のグランドピアノを弾くことができます。審査という異常に緊張する空間のなかでも、そんな贅沢を楽しんでほしいです。こういう経験は、将来、ピアノ以外のことでも役に立つのではないかと思います。

 

そんな私の思い入れから、去年、長女はピアノのコンクールに初挑戦しました。長女は彼女なりに一生懸命練習していたし、先生もいつも以上に力を入れてレッスンをしてくださったし、私もずいぶん口出しして練習を見守ってきました。

 

でも、結果は1次予選で不合格。がっかりしている長女の姿を見ていて、やっぱり、コンクールって厳しいんだな、中途半端な気持ちで挑戦しても仕方ないんだな、とコンクールに出るよう勧めたことをちょっぴり後悔していました。


 だから、今年はもう、出なくていいかな、と思っていました。前の記事に書いた通り、長女は絵画教室に通い始めて、ピアノより絵のほうが楽しいみたいだったし。

 だけど、コンクール出場者を募集する時期になったら、長女から「今年もコンクールに出たい」と言われて。

いやー、迷いました。長女の練習を見守る(というより、正確にはなんとか練習をさせる)のも大変だし、落ちた後のフォローはもっと大変だし、それに比べて、去年はメリット少なかった気もするし。

結局、長女本人の意志を尊重して、また出ることにしましたが、正直、私はテンションが上がりませんでした。だから、去年よりもだいぶ関わり方が薄かったと思います。


シルバーウィークに行われた1次予選。緊張でガチガチに固まっている長女の姿に、今年も厳しいかなあと暗い気持ちになりましたが…


今年はなんとか、2次予選に進めることになりました。やったー!!というより、心底ホッとした、というのが私の正直な感想です。


1次予選の発表があった日から、長女は毎日、自分で時間をみつけて、ピアノに向かっています。そして、「ここをこうしようと思うんだけど、どうかな?2通りやるから聞いてみて」なんて、表現を変えて演奏して、私に感想を聞いてくるようになりました。

私の思いが少し伝わったのかな、というより、長女は自分で成長しようとしているな、と嬉しくなりました。そうそう、そうやって考えて、練習して、自分の音楽を楽しんで演奏できる人になってくれたら、本望です。


2次予選から本選は、たぶんそうとう厳しいけれど…これを機に、ピアノを音楽を好きになってくれますように。